資産形成を目指している方の多くは、収入を上げる方法や投資戦略を考えることに注力しがちです。しかし、資産を積み上げるには「意識の持ち方」と「日々の行動」のバランスが欠かせません。
私自身、社会人3年目の25歳で資産500万円を達成するまでに試行錯誤を重ねてきました。
本記事では、その過程で私が実践し、効果を実感した7つのポイントをご紹介します。
1. 月々の支出が収入を超えない
資産形成の基本中の基本、それが「収支のバランスを取ること」です。
いくら収入が多くても、支出がそれを上回ってしまえば、資産を増やすどころか借金に陥る可能性さえあります。私はまず、自分の収入を正確に把握し、以下のような方法で支出を管理しました。
収入と支出を可視化
給与を貰ったらまずは明細を確認して、税金・社会保険料、残業代・交通費など、手取り額だけでなく一つ一つの項目にいくら引かれている・貰っているかを確認していました(Excelに数値記入して正確に記録していました)。
支出は基本的にクレジットカードで統一。PayPayなどの電子マネーは飲み会の清算用とするなど使い分けていました。クレジットカードのアプリ(楽天カードの家計簿機能)で、どこにどれだけお金を使っているかを把握していました(これもExcelに数値記入して正確に記録)。
最初は面倒でしたが、徐々に月々のお金の流れを知ることで、「これくらいなら使ってもいいかも」など切り詰めすぎない資産運用を心掛けることができました。現在は便利な家計簿アプリもあるので、それを活用お金の流れを把握・管理してもいいかもしれませんね。
生活費の上限を設定
私の場合は、家賃・積立投資を除いて、毎月10万円程度に収めるよう目標を立てていました。娯楽費なども含まれていますが、洋服や飲み会に使いすぎなければ結構楽しめます。現在独身で月15万円以上をコンスタントに使用している人は、支出を見直した方がいいですね。ハッキリと言って使いすぎだと思います。
現在の支出を見直した後は、それをひたすらキープ。たまに旅行やちょっとした贅沢でオーバーすることはあると思いますが、それは仕方ないです。
重要なのは、収入が増えたときに支出を必要以上に増やさないこと。生活水準を抑える意識を持つだけで、資産形成のスピードは一気に加速します。
2. 投資も貯金もどちらも行う
資産形成において、貯金と投資は車の両輪です。一方だけに偏ると、リスクが高まったり、資産を増やすスピードが遅くなったりします。私は、銀行口座の残高を増やしつつも、投資にお金も回す二刀流スタイルで取り組みました。
貯金の目的:安全性
突発的な出費や生活費の補填に備える為に、まずは100万円を生活防衛資金として確保することを目標にしました。
収入から生活費と積立投資を差し引いた金額として、月3~5万円を目安に貯金。しかし、これだけでは貯金のスピードも遅いので(入社当時の銀行残高は30万円程度)、ボーナスには手をつけず、ほぼ全てを貯金に回しました。
これをすることで、積立投資をしつつ毎月の収支は+(=銀行残高も増える)。半年ほど我慢すれば、ボーナス月には纏まった額で銀行残高が増える。これが「心の安定剤」となり、積立投資をすることにも抵抗はありませんでした。
今では、そこそこの現金がある安心から、ボーナスは徐々に投資へ振り分けていこうかと考えています。
投資の目的:資産増加
しかし、貯金だけでは金利が低く、資産を大きく増やすことは難しいため、投資を並行して行いました。NISAを活用してインデックスファンドへ投資したり、会社の持株制度を利用したりしました。
NISAには毎月3.3万円(新NISAになってからは毎月5万円)、持ち株には毎月1万円を投資しています。幸いにも現時点では、右肩上がりの良い相場が続いている為、投資だけでかなりの利益が出ています(巷で噂のインデックスファンドに積立投資をしていただけ)。貯金だけでは、社会人3年目の秋に500万円達成することは難しかったと思います。
ただし、投資といってもリスクはありますので、両者をバランスよく進めることで、リスクを抑えつつ資産形成を加速するのが重要だと実感しています。
3. 投資は金額が少なくてもいいのでコツコツと継続する
投資を始める際、「まとまった金額がないと意味がないのでは?」と思う方も多いのではないでしょうか。しかし、私の経験では「少額でもいいからコツコツ続ける」ことが成功のカギです。実際に私は、ボーナスで纏まった金額入れることはせず、毎月の積立投資しかしてきませんでしたが、社会人3年目で200万円以上の評価額となっています。
積立投資でリスク分散
持ち株は社会人1年目の5月から毎月1万円、NISAは同年8月から毎月3.3万円(新NISAから毎月5万円)から積立投資を始めました(+αで企業型DCで会社が毎月9.5万円の積立投資)。少額でも時間を味方につければ「複利の力」で大きな成果を生むことができます。
500万円達成したときの内訳として、投資分は230万円(NISA:140万円、持ち株50万円、企業DC:40万円)ほどでした。そのうち、お金を入れた金額は164万円(NISA:100万円、持ち株36万円、28万円)で、評価益だけで66万円にものぼります。
早いうちからコツコツと投資することで、ドルコスト平均法で高値掴みも避けることができますし、ファンド内での再投資による複利効果が期待できます。
ルールを守る
一時期は株価やファンドの基準価格が下がりましたが、慌てず売らないことを徹底しました。
そんな時は証券サイトへログインしないのが一番です。素人がタイミングを見計らって売買しても、上手くいくのは本当に一握りです。私も学生時代にFXをやったことありますが、まあ勝てません、、。
この時の経験があったので株式投資においては、「下がったとしても、淡々と積み立て」をマイルールにしています。結果として、安い価格で購入できるチャンスを逃さずに済み、投資したお金が勝手に増えていってました。
大切なのは「時間をかけて資産を増やす」という長期目線を持つことです。
4. ボーナスは全部使わない
ボーナスは、普段の生活費とは別の大切な資金源です。全額を使ってしまうと、一時的な満足感は得られても、後で「もっと計画的に使えばよかった」と後悔することが多いでしょう。私は以下のルールを設けていました。
ボーナスの6~8割は貯蓄や投資に回す
毎回、手にしたボーナスの60~80%を資産形成に活用しました。というのも私にとってボーナスは、銀行残高を爆上がりさせる切り札だったので、少しでも安心感を得るためになるべく貯金に回していました。
現在ではある程度の纏まった金額が手元あり、心に余裕が出来たので、これからは投資に全振りしていこうかと考えています。
一部を「自分投資」に充てる
残りの20~40%は旅行や趣味に充て、心の余裕を保ちました。やはり、ボーナス入ったのに全く使わない、というのも後々の無駄遣いを発生させるストレスですので、旅行の軍資金にしたり、洋服を買ったりしました。この金額だったらどのように使っても良いと割り切って、普段なら買わない一ランク上のものする・トッピングを増やしてみるなど一見浪費とも取れる行動をしていました。
一方で、20~40%のうち少額でも資格取得やスキルアップのための講座・本へ使うようにしました。TOEICの教材であったり、ビジネス啓発本など、将来的な収入増加へつなげる工夫もしました。不思議なものでこれらに使用した金額というのは、昇給やボーナス額(評価によって標準的な金額より多めにもらえた)で回収できました。買うことで満足していてはダメですが、しっかりとそれを活用すれば案外自分に跳ね返ってくるものです。
「ボーナス=全額消費」という意識を変えるだけで、資産形成のペースは大きく変わります。
5. 我慢をしすぎない
資産形成のために全てを我慢してしまうと、生活の満足度が下がり、途中で挫折してしまいます。私が心がけたのは、「楽しみながら節約する」ということです。
予算内で楽しむ工夫
基本的に自炊をしています。土日にまとめて作り置きをして、昼は弁当を持っていき、夜はレンチンして温めれば食べられるように工夫しています。食材を無駄にしたくない、と考えると家で食べる回数も増えますし、ちょっと贅沢したいときもスーパーで200円程度のものを買えば満足できます。
また、金曜日の夜・休日は飲み会に行くこともありますが、基本的には週1回には収めるようにしています。私は飲みだすと止まらない人間なので、ひとりでは飲まないようにしています。次の日もつらいですしね、、、。その代わり友達と飲むときは気にせずに飲みます。ただし、「頻度は少なくする」のがコツです。
メリハリをつける
日常の小さな支出を抑える一方で、旅行・誕生日・プレゼントには、多少の予算オーバーも目をつぶっています。いつもより贅沢な経験をすることで、また仕事頑張ろうと思えますからね。いつかはこの贅沢できる頻度が増えたらいいなと願っています(笑)
何度も繰り返しますが、資産形成は長期戦です。我慢ばかりではなく、「楽しみ」を適度に取り入れることが成功の秘訣です。
6. 本当に必要なものか吟味する
買い物をするときは、「これ、本当に必要?」と自問する習慣を身につけました。このシンプルな問いが、無駄遣いを防ぐ大きな助けになりました。
1週間は考える
欲しいものがあったら、すぐに買わずに1週間は考える時間を設けました。高価なものの場合は1カ月近く考えることも。1週間経っても猛烈に欲しいものは、1年経っても欲しいですが、1週間経って少しでも欲しい欲が下がっていれば、今の自分には不要なものです。「本当に必要か?今のもので十分ではないか?」と問うことで多くの衝動買いを防ぐことができます。
質を重視する
安物を何度も買い替えるよりも、少し高くても長く使えるものを選びました。私は物を増やして、自分で管理出来なくなるのが嫌いなので(ものを捨てるのすら面倒、だからものを増やさない)、長期にわたって使えるシンプルなものを買うようにしています。
洋服も一着何万円というものを買ったりしますが、結果として4~5年着れていますし、この先もまだ着るつもりでいます。「質を重視する=シンプルで使い回しが効く・十分な耐久性がある」この考え方は、長期的に見てコストパフォーマンスが高いと感じます。
必要なものと欲しいものを区別する力を養うことが、資産形成への近道です。
7. 資産形成の意義を考える
最後に、資産形成の根本的な意義を明確にすることが大切です。ただお金を増やすことが目的ではなく、その先にどんな生活を実現したいのかを考えることで、モチベーションが続きます。
目標を設定する
私は「30歳までに資産1億円を作り、自由な働き方を目指す」という目標を掲げています(まだまだ、頑張らねばなりません。一緒に頑張りましょう!)。その中でもまずは、1/10の1,000万円を目指すことにしています。この具体的な目標が、日々の努力を支えてくれました。資産1億円作ってFIREした生活を夢見ると、ちょっとしたことは我慢できます。
お金の価値観を見直す
お金だけが目標なのも良くありません。あくまでもお金は生活を豊かにするツールであり、目的そのものではありません。私は、3カ月連続で月の残業が100時間オーバーしたときに、家族や友人との時間、健康といった「お金では買えない価値」に気がつきました。この「お金で買えない価値」を大切にしたいからこそ、30歳での早期リタイアを目指しています。皆さんも漠然と資産形成するのではなく、「資産形成して何がしたいかを考える」ことで、資産形成がより意味のあるものになります。
まとめ
資産500万円を達成するまでに意識した7つのポイントを振り返ると、そのどれもが「継続」と「意識改革」に基づいています。大きな成果を得るには、日々の小さな努力を積み重ねることが欠かせません。
皆さんも、ぜひこれらのポイントを参考に、自分らしい資産形成の道を歩んでみてください。きっと、達成したときには「やってよかった」と心から思えるはずです。今日からでも遅くありません。さあ、一歩ずつ頑張っていきましょう!
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